その16 おしゃれライフ!?
シンプルなものが好きである。
普段は、Tシャツにジーンズが基本。動きやすいし、洗濯も簡単。ほとんど家で仕事か、出かけても近所のスーパー程度なので、事足りてしまう。
お化粧もしかり。一応化粧下地とファンデーションは塗るけれど、まゆを描いて口紅を引いたらおしまいの、5分間化粧である。幸いにも形としては派手な目をしているようで、シャドーもビューラーも使わない。マスカラに至っては、さわったこともない。巷では、まつげパーマなるものが流行っているようで、友達にも愛用者がいる。大変だなあとは思うけれど、やってみたいと思ったことはない。経済的では、ある。
こんな私だけれど、会社勤めをしていたときにはそれなりに着飾って(?)いた。
ワンレン・ボディコンでディスコ(死語?)にも行ったし、毎月ソバージュパーマをかけていたこともある。(余談ですが、過去のカタカナって、なんだかはずかしい・・・)
もちろん、メガネではなくコンタクトレンズ。化粧品もシャンプー、コンディショナーもいいと見ればとっかえひっかえ使ってみては、使いきることなく次を買ってくるというかんじ。あげく、三姉妹で使い切れないボトルがお風呂場を占拠していた。
結婚して、しばらく後に会社も辞め、流木作品の写真集のためのキャンプロケ旅行を期に、髪を短く切った。
そのあたりからだろうか、清潔で、機能的であればいいと思うようになってきたのは・・・。よく言えばシンプル、まあ、ラクチンと言い換えても良い。
妊娠中は、マタニティを買うのがもったいなくて、ぎりぎりまで夫君のジーンズを借りたり、手持ちのすとんとしたワンピースで過ごした。体重管理に非常にキビシイ産院であったので、これで事足りた。
子供が生まれて3ヶ月は昼夜のない生活で、これを機にコンタクトレンズをやめた。ほとんど家から出なかったので、4ヶ月目に夫君が自由時間をくれたとき、何を着て表に出ればいいのか分からない自分に気づき、あまりのことにショックを受けたくらい。
以来、シンプル一筋である。
環境にやさしいというシャンプーを使い、自然派と謳われたコンディショナーで仕上げる。月に1度のヘアカットには通うけれどパーマはかけず、お化粧も最小限。
・・・が、それにも近頃変化が見えてきた。
いつものコンディショナーが近所の店で買えなくなってしまい、やむを得ず資○堂のものを買ってきたときのこと。長男が嬉しそうに
「お母さん、これテレビでコマーシャルしてたやつだよねえ。よかったねえ」と言ってきたのだ。
お風呂上がりには
「やっぱり、いいにおいがするね」
ちょっとイヤリングを付ければ
「お母さん、今日かわいいねえ」
あまりに暑くて、数少ないスカートをはけば
「お母さん、女の子みたい」(・・・女だってば、昔から。)
「女の子みたい」は別にしても、息子にほめられるのは、悪い気はしないものだ。ちょっとは、飾ってみようかななどと思ったりする。もちろん夫君にほめられても嬉しくはあるけれど、息子に見られているという感覚は、また別物であるように思う。
う〜ん、やっぱり親ばか。認めましょう。
本当におしゃれな人は下着から、というのを聞いたことがある。今日、何か事故にあったら恥ずかしいぞという日が、ないわけではない私は、耳が痛い。
おしゃれって、なんだろう。誰のためにするんだろう。
人に不快感を与えずに、自分が気持ちよくて、世間からもそうはずれてなくて・・・。
とりあえずは、我が家の男性諸氏にそっぽ向かれることのないよう、笑顔でいることにいたしましょ。
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