上々日常 日々の色々を衣絵がテキトーにつづります。関係者のみなさま、笑ってユルシテ。
その1 家事のゆくえ
 

その14 夢にまで見た夢を

 「君の夢は何?」
 幼い頃には口に出来たはずなのに、成人して、会社勤めなど始めると、「夢」は「目標」と呼び名を変え、徐々にスケールダウンしてくるように思う。何となく、気恥ずかしくて「〜するのが夢!」「夢は〜になること」と公言しなくなってしまう。
 が、我が夫君は違った。冒頭の質問は、つきあい始めた頃に、つまり、「目標」であった仕事についてしばらくしてから、実際に聞かれたことである。なんと答えたかは覚えていない。あまりにも意外な質問で、聞かれたことだけは記憶にしっかり残っているのだけど。

 眠っているときの夢は、よく見る方であると思う。そして、結構覚えている。毎日必ずというわけではない。夢というものは、起きる瞬間までとてもリアルなのに、目が開くとすうっと脳の底に沈んでいってしまうような所がある。けれどもときどき、細部まで克明に覚えている夢があるのだ。

 広い海に船を浮かべて、夫と二人の子供達とつりをしている。けれどもなかなか、獲物がかからない。
「つれないねえ、お母さん」
「つれないねえ、ご飯どうしようか」と話していると、夫が
「そういうときは、こうするんだ!」と柄のついた網で水面をすくい上げた。すると、どこにいたのかきれいな虹色の魚がたくさんあがり、喜ぶ子供たちと共にフライパンでソテーして食べた・・・という夢。まだ夫婦二人の生活で、子供達のいないときに見たもの。

 電車に乗っていて、次の駅で降りようとしたとき、スカートもズボンもはいていないことに気づき(ダメダメ、想像しちゃ。ちなみに下着はつけてました)上着を引っ張って、何とかごまかそうとする夢。

 きれいな蝶がたくさん飛んでいるのを見ながら
「蝶の鱗粉って、顕微鏡で見るとびっくりするくらいきれいなんだよ」と話す夢。

 信じられないくらい大きな大きな木を見あげる夢。

 このどれもが、夢としては吉兆らしいのだ。夢判断にも様々な流派(?)があるのだろうから一概には言えないのだろうけど、我が家の夢事典によるとそうなのだ。

 「小さな魚とり網は日々の生活がとても豊かになる前触れ」
 「魚を料理する夢、食べる夢は現在の計画がうまくいく事を意味」
 「電車に乗る夢は、将来に明るい展望を持っているしるし」
 「女性用のパンティは事態の好転を意味する」
 「色鮮やかな蝶は、この先どうしていいかわからなくなるほど生活が満たされる前兆」
 「木は吉兆で、すくすくと育っている木は今の計画がうまくいっているしるし」・・・・

 なにより大切なのは、これらの夢が、今でも夢を持っている夫君の気持ちを明るくしているということ。
仕事柄、浮き沈みがあるのは当然としても、家族も増えて両肩にかかる重圧は結構なものだと思う。ちょっとへこたれそうになったとき、私の見る脳天気な夢で心が軽くなるのなら、こんなにお手軽な・・・イヤ嬉しいことはない。そういえば、幼い頃母に「おやすみなさい」を言うと必ず「おやすみ。いい夢見てね」といわれたものだっけ。
 信じるものは救われる。
 夢で夢を支えるなんて、なかなか出来た奥さんでしょ!?

閉じる