上々日常 日々の色々を衣絵がテキトーにつづります。関係者のみなさま、笑ってユルシテ。
その1 家事のゆくえ
 

その10 センタクの自由

 ひとり暮らしというモノの経験がない。
 実家を出たのは結婚後。それまでは成人しても、生活のモロモロを親に頼っていたわけで、その頃は当たり前に感じていたけれど、今考えればありがたい話である。
 夫と二人で生活するようになって、一番困ったのが洗濯であった。
 私は会社員であったので、早朝6時には家を出て(ラッシュを避けたかった!)会社に向かう。夫は家で創作をしていたので、家事はもっぱら夫の分担であった。
 掃除はしなくても死なないし、ご飯は、朝昼はお互い適当にすませ、夜は、帰りが早ければ私が作り、遅くなれば夫が作って待っていてくれた。が、さすがに洗濯・・・特に下着を任せるのには大いに抵抗があった。だって、ねえ・・・曲がりなりにも新婚だったわけだし。
 恥ずかしながら、洗濯って洗濯機に入れることだと思っていた。だから、新居のための洗濯機を買うときに、経済性を重視して二層式を主張する夫を説き伏せて、全自動を買うことにしたのだ。スイッチぽんで、ぜーんぶきれい!だとたかをくくっていた。
 流行の服やデリケートな下着類も、結婚前は出しておけばいつの間にかきれいになって、部屋に戻ってきた。言うまでもなく、母の仕事である。そのありがたみが、結婚して身にしみた。
 いちいち洗濯表示を確認して仕分けをし、ソフト水流やドライコースなどそれぞれにあった洗濯をし、陰干しのものは表に出さず、平干しのものは平らに干して・・・なんてことを当時の夫に頼めるはずもなく(ちなみに今は完璧ですが)、そういった洗濯は週末にまとめてということになる。おしゃれ着類などを、こまめにクリーニングに出したりすることも経済上そうそうは出来ない。
 勢い、服を買うときに洗濯表示を確認してから買うようになった。
 なるべく、40度以下の湯温で中性洗剤を使えば洗濯機洗いの出来るもの、水につけても良い素材を使っているもの、ドライクリーニングオンリーのものは買わなくなった。何ともいじましい光景では、ある。

 そして結婚13年。子供が生まれたのを期に、洗濯機も2代目の乾燥機付きになった。
 なのに!衣類の洗濯表示に<乾燥機のご使用はお避けください>の文字のなんと多いこと!
 まわりにも、乾燥機付きの洗濯機を使っている人がずいぶん増えたというのに、<乾燥機可>の衣類はいっこうに増えない。思うに、PL法が施行されて、メーカーが守りに入ってしまったせいな気がする。
 家電メーカーとアパレルメーカーと、もうちょっと足並みそろえてくれないかなあ。このままじゃ、宝の持ち腐れになっちゃいそう。梅雨時でも、活躍するのはランドリーモードの付いた除湿器の方で、洗濯機の乾燥機機能はタオルや一部の下着類の乾燥に限られる。一番よく使うのは、<静止乾燥>というやつで、雨の週末に長男の上履きを乾かすのに重宝ではあるのだけれど。
 それから、洗濯表示を見ていて切実に思うこと。
 それぞれの衣類に、ピンポイントの説明を付けてもらうわけには行かないだろうか。どうも、ひとつのタグで複数の衣類の表示をまかなおうとしすぎている気がするのだ。
 アップリケのない服に<アップリケの部分にはアイロンは当てないでください>
 無地の服なのに<刺繍がある場合には・・・> などなど。
 一番困るのは<濃い色のものは色落ちの可能性が・・・>と書かれている場合。その服の色が微妙だった場合、判断に迷う。とっても不親切だと思う。
 それから、売り価格と扱いのデリケートさとのバランス!
 某量販店のニット。<風合いを損なうおそれがありますので、洗濯機のご使用はお避けください>って、セールとはいえ千円足らずの上代の服を、1回400円なりのクリーニングに出せという感覚が不思議。絶対ヘンだってば。
 アパレル企画担当の方、その辺考えていただけると助かります。どう考えても、バランス悪いと思いますー。

 こんな事気にしてるのって、私だけ?
 洗濯方法が選択できたらいいのになぁって、本気で思います。

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